2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規生理活性ペプチドの機能解析と受容体の同定による新しい生体調節機構の解明
Project/Area Number |
22790892
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
森 健二 独立行政法人国立循環器病研究センター, 生化学部, 室長 (00416223)
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Keywords | 内分泌 / 神経ペプチド / 生理活性ペプチド / 受容体 |
Research Abstract |
生理活性ペプチドは、ホルモンとして内分泌的調節を担うだけでなく、神経ペプチドとして、本能行動(摂食、飲水、性行動など)や自律機能(恒常性維持)の調節因子として機能するなど、様々な生体機能の調節において幅広く重要な役割を担っている。故に、新しい生理活性ペプチドの発見によって、それが関与する新しい生体調節機構を明らかにできる。これまでに、生理活性ペプチドであるニューロメジンSを発見したが、その探索過程で新規生理活性ペプチドの候補として"ペプチドX"を見出している。本研究では、ペプチドXの機能解析によりその生理的意義を確立し、本ペプチドが担う新しい生体調節機構を明らかにする。本年度は、機能解明を目的として化学合成したペプチドXをラットへ様々な方法で投与し、引き起こされる生体反応を観察した。その結果、脳室内投与によって用量依存的な特定ホルモンの血中濃度の上昇が観察され、その比活性は当該ホルモンを分泌させる既知の生理活性ペプチドとほぼ同等であったため、ペプチドXがホルモン分泌の調節に関与している可能性が示された。これに加え、ペプチドXの存在を証明するためにラジオイムノアッセイを開発した。高い特異性と十分な感度が得られたため脳での含有量を測定した結果、組織湿重量1グラムあたり約250フェムトモルであり、神経ペプチドとして機能するための十分な量が脳内で産生されていることが示された。以上の結果より、ペプチドXによる新たな生体調節機構の存在が示唆される。
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