2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規生理活性ペプチドの機能解析と受容体の同定による新しい生体調節機構の解明
Project/Area Number |
22790892
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Research Institution | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
Principal Investigator |
森 健二 独立行政法人国立循環器病研究センター, 生化学部, 室長 (00416223)
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Keywords | 内分泌 / 神経ペプチド / 生理活性ペプチド / 受容体 |
Research Abstract |
生理活性ペプチドは、ホルモンとして内分泌的調節を担うだけでなく、神経ペプチドとして、本能行動(摂食、飲水、性行動など)や自律機能(恒常性維持)の調節因子として機能するなど、様々な生体機能の調節において幅広く重要な役割を担っている。故に、新しい生理活性ペプチドの発見によって、それが関与する薪しい生体調節機構を明らかにできる。これまでに、生理活性ペプチドであるニューロメジンSを発見したが、その探索の過程で新規生理活性ペプチドの候補として"ペプチドX"を見出した。本研究では、ペプチドXの機能解析によりその生理的意義を確立し、本ペプチドが担う新しい生体調節機構を明らかにする。昨年度は、神経ペプチドとして機能するための十分な量のペプチドXが脳内で産生されていることを示した。また、ラットへの脳室内投与実験にて、ペプチドXが特定ホルモンの血中濃度を制御する活性を有することを明らかにした。本年度は、ペプチドXが特定ホルモンの分泌調節に関わる際の作用機序の解明を試みた。ペプチドXは、その機能から視床下部弓状核に存在する特定の神経細胞に作用することが考えられたため、その細胞機能を阻害する薬剤の効果を検討した。その結果、阻害剤の前投与によりペプチドXによる作用が消失したことから、ペプチドXは特定の神経細胞の機能を介して特定ホルモンの血中濃度を制御していることが示唆された。一方、ペプチドXの生理的役割の解明を目的として、ノックアウトマウスの作製を試みた。現在では、ペプチドXの産生が特異的にノックアウトされたことが確認できたため、今後はこのマウスを利用した機能解析が期待される。
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[Journal Article] Identification of the novel neuropeptides dRYamide-1 and dRYamide-2, ligands for a neuropeptide Y-like receptor in Drosophila2011
Author(s)
Ida T, Takahashi, T, Tominaga H, Sato T, Kume K, Ozaki M, Hiraguchi T, Maeda T, Shiotani H, Terajima S, Sano H, Mori K, Yoshida M, Miyazato M, Kato J, Murakami N, Kangawa K, Kojima M
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 410
Pages: 872-877
DOI
Peer Reviewed
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