2010 Fiscal Year Annual Research Report
急性骨髄性白血病に対する超高密度SNPアレイを用いたゲノム網羅的遺伝子解析
Project/Area Number |
22790900
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中崎 久美 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (70550432)
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Keywords | アレイ解析 / 癌 / ゲノム / 急性骨髄性白血病 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病(AML)では、染色体転座の解析から種々の原因遺伝子が同定され、遺伝子異常と臨床病態の密接な関与が認められる。一方、予後に関わる異常として、遺伝子の量的異常を伴うFLT3異常が同定されたが、転座を伴わない異常に関しては十分には解明されていない。本研究ではAMLの病態の更なる解明と治療標的分子の同定を目指し、当研究室で開発された超高密度SNPアレイを用いたゲノムコピー数解析システムにより、AML臨床検体100例を対象としたゲノム網羅的遺伝子解析、LOH・片親性ダイソミー(UPD)の解析を行い、分子生物学的手法と併せAMLの発症進展に関わる遺伝子を探索・同定することを目的とした。 本年度は、AMLの臨床検体の骨髄・末梢血凍結検体から抽出したDNAを対象として、超高密度SNPアレイ(GeneChip^<[○!R]>100K・500Kアレイ)を用いてアレイ解析を行なった。その上で、ソフトウェアCNAG/AsCNARアルゴリズムを用いて、ゲノム網羅的コピー数解析を行なった。この手法により染色体の2本のアレルを区別し、コピー数変化を高精度・高分解能で解析を施行した。 コピー数変化が蓄積した領域、特にUPDや欠失が高頻度に存在する領域には、AMLの発症・進展に関わる遺伝子がある可能性が高いと考えられ、共通領域にある遺伝子群を同定するべく、解析を行なっている。実際に21番染色体にUPDが認められた検体では、AML1遺伝子の遺伝子変異がDNAのdirect sequenceで確認されるなど、本解析においても同手法の妥当性が示された。 本研究は東京大学医学部倫理委員会に承認を得た研究であり、倫理指針に則り十分な配慮を行っている。
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