2011 Fiscal Year Annual Research Report
L3MBTL1コンディショナルノックアウトマウスを用いた造血および血液疾患の解析
Project/Area Number |
22790903
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 郷子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60422276)
|
Keywords | 造血 / クロマチン制御 / 血液疾患 |
Research Abstract |
L3MBTL1はヒトにおけるある種の血球腫瘍において典型的な欠失の見られる遺伝子座に位置しており、その機能破綻が白血病等の発症の原因となり得ると考えられている分子である。最近、特異的なヒストン修飾を認識することでエピジェネティカルに遺伝子発現を制御することが注目され始めたが、実際の生理機能については不明な点が多い。本研究では、"L3MBTL1コンディショナルノックアウト造血系マウス"を作製し、目的の系統・分化段階の造血細胞特異的にL3MBTL1を欠損させ、造血過程におけるL3MBTL1の機能破綻がもたらす影響を生理的に解析すると共にそのメカニズムを解明し、今後の血液腫瘍研究の分野に貢献することを目的として行った。まずコンディショナルノックアウトマウスを作製するためのキメラマウスからF1作製を試みた。しかしながらgerm line transmissionが得られなかった。また、L3MBTL1と結合するタンパク質については報告があるが、造血系では、造血系に特異的な複合体として存在する可能性がある。L3MBTL1は血球における発現が弱く、また適した抗体が無いため、HaloTagを付加したL3MBTL1(HaloTag-L3MBTL1)を造血系細胞において発現させてlysateから精製し、それに結合したタンパク質をマススペクトルで解析するために、HaloTag-L3MBTL1を数種類のヒト血球系細胞株にトランスフェクションし、安定株を得た。HaloTag-L3MBTL1のプルダウンを行い、コントロールと比較することでL3MBTL1に結合しているタンパク質の候補を得た。現在それらについて実際に結合が見られるかどうか、共免疫沈降法等を用いて解析中である。
|