2012 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞白血病細胞における恒常的NF―κB活性化機構の解明と治療標的分子の同定
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22790905
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
斉藤 愛記 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00516312)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ATL / HTLV-I / caspase-8 / NF-kB |
Research Abstract |
HTLV-I感染に起因する成人T細胞白血病(ATL)でみられる持続的なNF-kB活性化機構の解明を軸とし、治療標的分子の同定と評価を目指して研究を行ったが、NF-kB抑制因子A20がATL細胞の生存と悪性形質発現に重要な働きを担うことをつきとめた。申請者は、A20の発現抑制によりATL細胞株の生存が著しく抑制されることを明らかにしたが、当該年度では、A20の悪性形質発現に対する役割およびATL細胞株の生存を支えるメカニズムの解明を試みた。 RNA干渉によるA20の発現抑制により、ATL細胞株の免疫不全マウスにおける造腫瘍能が低下することが明らかとなった。A20の発現抑制によって細胞死関連分子caspase-8の活性が上昇し、活性化型caspase-8が検出された。ATL細胞株においてA20はcaspase-8と共免疫沈降され、細胞死関連リン酸化酵素であるRIPも検出されたことから、A20はRIP/caspase-8の抑制を介して細胞生存を支える可能性がある。A20のK48ユビキチン化およびK63脱ユビキチン化活性変異体、直鎖型ユビキチン鎖との結合に寄与するzinc finger 7領域変異体を293T細胞株に高発現させ、TNFalphaによる細胞死誘導モデルを用いた解析を行った結果、A20のzinc finger 7領域がcaspase-8の活性化抑制に関わることが示唆された。様々なB細胞リンパ腫においてA20の変異が報告されており、A20はこれらの細胞では癌抑制因子と考えられている。しかしながら、A20を発現するATL細胞においてA20は逆の役割を担うと考えられ、ATLの治療標的分子となる可能性が高い。HTLV-I感染によって樹立した細胞株においても同様な結果を得ており、A20を標的とすることによりHTLV-IキャリアーのATL発症予防にも貢献できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)