2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790912
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松井 啓隆 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (60379849)
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Keywords | Titan (Samd9L) / 初期エンドソーム / AML/MDS |
Research Abstract |
1.Titan(Samd9L)によるエンドソーム機能制御の解析:shRNA導入によりTitanを発現抑制したマウス線維芽細胞を作成し、本細胞でPDGF受容体の代謝を観察することにより、Titanがエンドソームの機能制御を行うメカニズムを解析した。PDGF受容体は、PDGF刺激前には主に細胞表面上に存在し、PDGF刺激により細胞内初期エンドソーム分画にとりこまれた。この際、正常対照細胞では初期エンドソームが互いに融合し大きくなることが確認されたが、Titan発現抑制細胞ではエンドソームの肥大が起こらなかった。またその結果、PDGF受容体の初期エンドソームから後期エンドソーム/リソソームへの輸送が阻害され、PDGF受容体が初期エンドソームに蓄積され分解されなかった。このために、初期エンドソームに蓄積したPDGF受容体からのサイトカイン・シグナルが遷延することが判明した。また、Titanは造血前駆細胞でも初期エンドソーム分画に発現していることが確認され、Titan遺伝子欠損マウスより単離した造血前駆細胞はSCFなどのサイトカイン刺激に対して高感受性であることがわかった。その結果、Titan欠損造血前駆細胞はコロニー再形成能が亢進し、正常対照細胞では3回のリプレーティングでコロニー形成能を喪失するのに対し、Titan欠損細胞では5回以上のリプレーティングが可能であった。以上より、Titanは造血細胞において、初期エンドソームの融合促進を介してサイトカイン受容体の分解をすすめ、サイトカイン・シグナルを負に制御する因子であることが判明した。現在、サイトカイン・シグナルの活性化がいかに造血細胞の腫瘍化と関連するか解析をすすめている。 2.Titan遺伝子欠損マウスの解析:上記研究と並行して、Titan遺伝子欠損マウスの詳細な解析を進めた。Titanは造血幹細胞や前駆細胞に強く発現し、骨髄移植モデルの構築によりEvilやFbx110の高発現と協調的に造血細胞の腫瘍化に関与することが示された。
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Research Products
(7 results)