2010 Fiscal Year Annual Research Report
Aurora-Aを標的とした包括的がん免疫療法の開発
Project/Area Number |
22790913
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
越智 俊元 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (10571086)
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Keywords | Aurora-A / Aurora-Aペプチドワクチン / Aurora-A特異的TCR導入T細胞 / がん免疫療法 |
Research Abstract |
がん、特に白血病の再発に大きく関わる白血病性幹細胞において、我々はAurora-Aを標的とした細胞免疫療法の有効性を世界ではじめて証明した。本研究はAurora-Aペプチドワクチン臨床試験によってその有用性を検討し、同時にAurora-A特異的TCR遺伝子を利用したがん特異的養子免疫療法および分子標的薬との併用がその治療効果を高める上で有効かどうか検討する、すなわちAurora-Aを標的とした包括的がん免疫療法の開発を目的とする。 1.Aurora-Aペプチドワクチン臨床試験を開始し、1例目の登録を完了した。現在ワクチンを継続投与中であり、無治療の時と比較し白血病の進行を遅らせることに成功している。治療に伴うAurora-A特異的T細胞の推移は現在追跡中である。 2.がん細胞を認識する上で重要な働きをするAurora-A特異的TCR遺伝子をヒト正常T細胞に導入することができれば、Aurora-A特異的T細胞を大量に増幅でき、それを患者に輸注することで治療効果の向上につながる。我々は、Aurora-A特異的TCR遺伝子を導入したT細胞が、容易に大量に増幅できること、ならびに白血病性幹細胞を含めたヒト白血病細胞を効率よく傷害し、かつ正常の細胞には影響を及ぼさないことを基礎実験により確認した。また、マウス腫瘍モデルにおいて、これらT細胞を輸注することにより効率的な抗腫瘍効果が得られることもあわせて確認し、養子免疫療法としての有用性の検討を完了した(論文準備中)。 3.Aurora-A阻害薬を併用することで、抗腫瘍効果の増強を図れるか現在検討中である。 以上より、がんの治癒を目指したAurora-Aを標的とした包括的がん免疫療法の有効性を臨床および基礎的検討から推進し、本年度の目標は十分到達できたと考える。
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Research Products
(5 results)