2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790915
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉山 大介 九州大学, 医学研究院, 特認准教授 (00426652)
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Keywords | 血液 / 発生 / 肝臓 / 分化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、造血幹細胞増幅器官であるマウス胎仔肝臓の造血幹細胞制御機構に関する申請者独自の知見を基盤にして、造血幹細胞の未分化性維持機構を解明する事である。 1.KS-13シグナル由来造血細胞分化関連因子の機能解析:KS-13シグナルの解析から、胎生期造血幹細胞が赤血球へ分化するにつれて発現が低下するユビキチン様物質X、及びその結合酵素UHRF2の同定に成功した。X遺伝子及びUHRF2遺伝子の機能獲得用vector構築を行い、構築vectorを多能性幹細胞及び白血病細胞株へ導入した。X遺伝子導入により赤血球細胞分化誘導を抑制する傾向が認められた。 2.細外マトリックス刺激による造血幹細胞分化関連因子の・同定と機能解析: 胎生期肝臓は造血細胞,肝芽細胞,類洞内皮細胞より構成される。Dlk-1陽性肝芽細胞をFlow cytometry法で純化・採取し遺伝子・タンパク発現を検討すると、肝芽細胞はFibronectin、Vitronectinなどの細胞外マトリックスとSCF・EPOなどの細胞刺激因子を発現することで造血幹細胞分化を制御する事が明らかになった。肝芽細胞の造血幹細胞分化制御に及ぼす影響をさらに検討する為、肝芽細胞/肝細胞欠失マウス(以下DKOマウス)を用いた実験を行った。胎齢19.5日目DKOマウス肝臓より CD45/c-Kit/Sca-1陽性造血幹細胞を純化・採取し、放射線照射レシピエントマウスへ移植したところ、コントロールであるWild typeマウス由来造血幹細胞はレシピエントマウス骨髄を再構築(再構築率3%以上)したにも関わらず、DKOマウス由来造血幹細胞は極めて低率に再構築した(再構築率0.5%以下)。両者におけるCXCR4及びb1-integrinの発現に顕著な差は認めず、肝芽・肝細胞が造血幹細胞の特性である自己複製能・多分化能へ影響を与える事が示唆された。
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Research Products
(5 results)