2011 Fiscal Year Annual Research Report
難治性形質細胞疾患の臨床病態に関連したエピジェネティック異常の解析
Project/Area Number |
22790917
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
安井 寛 札幌医科大学, 道民医療推進学講座, 助教 (40448593)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / DNAメチル化 / 脱メチル化剤 / 抗癌剤感受性 / ゲノムワイド / 染色体異常 / 次世代シーケンサー |
Research Abstract |
難治性形質細胞疾患である多発性骨髄腫の形質細胞において、DNA異常メチル化を系統的かつ網羅的に解析するため、骨髄腫細胞株をメチル化阻害剤処理し発現回復する遺伝子群をDNAアレイで探索した。その遺伝子群の1つRASD1では,プロモーター領域の高メチル化に伴う発現低下を認める細胞株ほどデキサメサゾンへの感受性が低くなる傾向を認め、それらの細胞株を脱メチル化剤処理すると、RASD1発現レベルの回復に伴いデキサメサゾン感受性が回復し、RASD1高メチル化とデキサメサゾン感受性との関連が示唆された。 一方、ゲノムワイドな低メチル化の指標であるLINE-1低メチル化の解析を臨床検体に対して行ったところ、正常形質細胞と比べ、MGUS、骨髄腫と進展するに伴いLINE-1のメチル化レベルは低下し、LINE-1低メチル化症例は予後不良であった。LINE-1メチル化レベルと染色体異常との関係を調べた結果、LINE-1低メチル化症例で、13番染色体欠失などの染色体欠失を認めた。 最後に、多発性骨髄腫におけるDNAメチル化異常をゲノムワイドに解析するため、次世代シーケンサーを用いたMBDシーケンス法を骨髄腫細胞に対して行った。現在、その解析結果とaCGHによって評価されたゲノムコピー数変化およびDNAマイクロアレイによって評価された遺伝子発現との関連性とを解析している。
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Research Products
(11 results)