2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790918
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
多々良 礼音 自治医科大学, 医学部, 助教 (90570268)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / Th17細胞 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
初めに、マウス間葉系幹細胞(mMSC)が、マウス脾細胞由来のナイーブCD4陽性T細胞(nCD4)のTh17分化に対する作用を解析した。その結果、mMSCがnCD4のTh17分化を抑制することを見出した。Th17細胞が産生するIL-17は、近年、炎症性サイトカインとして注目されており、GVHDをはじめとする様々な免疫反応において、主要な役割を果たすことが報告されている。mMSCは、Th17分化を抑制することにより、免疫抑制能を発揮すると考えられた。一方、過去の報告とは異なり、我々の実験系においては、mMSCはnCD4のinduced Treg(iTreg)分化については促進しなかった。続いて、mMSCによるTh17分化抑制作用の、原因因子の同定を試みた。transwellを用いて、mMSCのTh17分化に対する作用が、リンパ球-mMSCの直接的な接着によるものなのか、あるいは液性因子などによるものなのか、あるいは両方の因子によるものなのかを検討した。その結果、Th17分化抑制は、主として液性因子によるものであると推測された。そこで次に、その液性因子の同定を試みた。nCD4をTh17分化誘導条件下でmMSCと共培養し、各作用発現候補分子の阻害薬や中和抗体を加え、mMSCのTh17分化抑制作用が、解除されるかを確認した。その結果、過去に我々がmMSCの重要な免疫抑制因子として報告した一酸化窒素(NO)や、EAEマウスに対するMSC治療モデルでTh17分化抑制作用が報告されたCCL2は、Th17分化抑制に関与していないことを見出した。
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