2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790918
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
多々良 礼音 自治医科大学, 医学部, 助教 (90570268)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 同種骨髄移植 / GVHD / Th17 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
間葉系幹細胞(MSC)は、臨床試験や症例報告などにおいて重症急性GVHDに対する治療薬として良好な治療成績が報告されている。しかしその作用機序はいまだ不明な点も多い。申請者の研究室で行なったTh1,Th2分化誘導条件下でのマウスMSCの免疫抑制能に関する検討から、MSCはTh1分化誘導条件下では著明な分化誘導抑制を示す一方、Th2分化誘導条件下では分化抑制能が軽微である事を明らかとなった。本研究ではTh17、Treg分化に及ぼすマウスMSCの影響について検討した。Th17分化誘導条件下でマウスCD4陽性T細胞を培養すると、マウスMSC共培養群では著明なTh17分化抑制が確認された。続いてそのメガニズムを解析したところ、インドメタシン(プロスタグランジン阻害薬)添加にて、マウスMSCによるTh17分化誘導抑制が解除された。マウスMSC存在下ではPGE_2が多く産生されており、マウスMSCの産生するPGE_2がTh17分化を抑制している事が示唆された。また、1-MT(トリプトファン分解酵素阻害薬)を添加した場合も、Th17分化誘導抑制は解除され、MSCの産生するIDO(トリプトファン分解酵素)がTh17分化を抑制されている事が示唆された。Th17分化にかかわるIL-21やIL-23などのサイトカインや、マウスMSCの重要な免疫抑制因子であるNOの関与は、ほとんど認められなかった。また、申請者の実験系では、マウスMSCによるTregの分化誘導促進能は確認できなかった。 これらの結果により、急性GVHDの発症や促進あるいは抑制に大きく関与すると考えられている、新しいT細胞サブセットであるTh17とTregに対するマウスMSCの作用の一端が明らかとなり、免疫抑制メカニズムについての新たな知見が得られた。
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Research Products
(1 results)