2010 Fiscal Year Annual Research Report
Th17細胞分化におけるIkarosファミリー分子の役割の解明
Project/Area Number |
22790925
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高取 宏昌 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特任助教 (30568225)
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Keywords | ヘルパーT細胞分化 / Ikarosファミリー分子 / Helios / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
本年度は以下の知見を得た。 1)マウスヘルパーT細胞分化におけるIkarosファミリー分子の発現 野生型のCD4陽性T細胞をTCR刺激とともに各ヘルパーT細胞分化条件で培養した際のIkarosファミリー分子の発現を解析したところ、Treg条件(TGFbeta添加条件)においてIKZF2 : Heliosの発現が有意に亢進していた。HeliosはTGFbetaシグナル依存的にFoxp3を発現したCD4陽性細胞でのみ発現し、その発現はIL-6により阻害された。 2)マウスヘルパーT細胞分化に対するIkarosファミリー分子発現の影響 レトロウイルスベクターを用いて野生型マウス由来のCD4陽性T細胞に各Ikarosファミリー分子を過剰発現させたところ、Treg条件でHeliosはわずかにFoxp3の発現を増強した。また、興味深いことにTh17条件(IL-6とTGFbeta添加)でHeliosを発現させるとFoxp3の発現は完全には抑制されなくなった。 3)T細胞分化のマスター転写因子のIkarosファミリー分子発現への影響 先天的にFoxp3発現を欠損するScurfyマウス由来のCD4陽性T細胞をTreg条件で培養し、Heliosの発現を解析したところ、TGFbetaシグナルに依存せずHeliosの発現亢進を認めた。 以上よりHeliosはTGFbetaの下流で発現し、Foxp3の発現をサポートしていること、さらにその下流のFoxp3がHeliosの発現を抑制していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)