2012 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析計を利用した血中小麦タンパク質の網羅的分析と体内動態の解析
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22790930
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
高橋 仁 島根大学, 医学部, 助教 (10432618)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 抗原 / IgE |
Research Abstract |
小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(Wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis: WDEIA)は、小麦製品を摂取した後、運動負荷などの二次的な要因が加わって発症する小麦アレルギーの一病型である。主要な抗原として、ω-5グリアジンと高分子量グルテニンが同定されている。 リコンビナントω-5グリアジンを抗原とした抗原特異的IgE検査 (CAP-FEIA法) は、既存の小麦およびグルテンを抗原としたCAP-FEIA法よりも感度および特異度が高く、患者の8割が検出でき、WDEIAの診断に有用であることが明らかとなっている。残りの2割のWDEIA患者は高分子量グルテニンによって検出されることが予想される。そこで、リコンビナント高分子量グルテニン (rHMW-G) を用いたCAP-FEIA法の有用性について検討した。 rHMW-Gは大腸菌にてヒスチジンタグ付きタンパク質として発現させ、ニッケルアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製した。精製したrHMW-GはCAP-FEIAに固相化した。48名のWDEIA患者、16名のアトピー性皮膚炎患者、12名の健常人の血清を対象とし、rHMW-Gに対する特異的抗体価をCAP-FEIA法を用いて測定した。 rHMW-Gを用いたCAP-FEIA法は、小麦から精製したnative 高分子量グルテニンを用いたCAP-FEIA法よりも非特異的な反応が少ないことが明らかとなった。rHMW-Gの感度および特異度は、16.7%、92.9%であったが、リコンビナントω-5グリアジンに対する結果を加えると、感度および特異度は93.8%、92.9%であった。この結果から、rHMW-Gは、CAP-FEIA法の固相化に安定であり、rHMW-Gを用いたCAP-FEIA法は、WDEIAの診断に有用であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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