2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの真の寛解とは?:疾患活動性、高感度画像、分子細胞生物学から考察する
Project/Area Number |
22790937
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
玉井 慎美 長崎大学, 保健・医療推進センター, 助教 (60380862)
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Keywords | 関節リウマチ / 真の寛解 / 疾患活動性 / 関節MRI骨髄浮腫 |
Research Abstract |
高感度関節画像検査と免疫学的実験手法を組み合わせ、関節リウマチ(以下、RA)の真の寛解と病態を解明する。自己抗体(IgM-RFもしくは抗CCP抗体)と手指関節MRI骨髄浮腫陽性の診断未確定関節炎(以下、UA)および発症6ヶ月以内の早期RA対象の前向き早期治療介入研究を遂行中である。 登録症例中、12カ月間経過観察可能であったUAは13症例であった。RAへの移行は7症例(54%)、疾患活動性ではDAS28-ESR寛解到達は7症例(54%)、DAS28-CRP寛解到達は9症例(69%)、CDAI寛解到達は8症例(61%)であった。治療開始薬は基本的にMTXでTNF製剤併用を要したのは2症例(15%)であった。経過中、疾患活動性は初診時よりも40~80%低下、炎症マーカーであるCRP、ESR、MMP-3は40~70%減少、自己抗体では抗CCP抗体は上昇、IgM-RFは20%低下した。手指関節MRI骨髄浮腫スコアが治療前の1/3以下まで改善した8症例ではModified Genant-Sharp scoreによる骨関節破壊が認められなかったが、そうでなかった5症例は80%が進展した(p<0.01)。骨髄浮腫スコア改善によりRAへの移行は減少傾向を認めたが、寛解率は有意差を認めなかった。初診時の骨髄浮腫は将来のX線関節破壊の強力な予測因子であり、治療による顕著な改善はX線関節破壊を抑制した。関節パワードップラー超音波検査は疾患活動性(DAS-28、SDAI、CDAI)や血清VEGF、MMP-3値と相関を認めることが判明した。 早期治療介入によりRA移行抑制効果が認められた。真の寛解の解明には今後のフォローが必要である。
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[Journal Article] Comparative study of the detection of joint injury in early-stage rheumatoid arthritis by MRI of wrist and finger joints and physical examination. 2010 Nov 15.2011
Author(s)
Tamai M, Kawakami A, Iwamoto N, Kawashiri S, Fujikawa K, Aramaki T, Kita J, Okada A, Koga T, Kamachi M, Yamasaki S, Ichinose K, Ida H, Origuchi T, Eguchi K.
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Journal Title
Arthritis Care Res (Hoboken)
Volume: 63(Epub ahead of print)
Pages: 436-9
Peer Reviewed
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