2011 Fiscal Year Annual Research Report
Liver X受容体を介したアレルギー性炎症の制御
Project/Area Number |
22790946
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
布村 聡 日本大学, 医学部, 助教 (70424728)
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Keywords | アレルギー性炎症 / マスト細胞 / 核内受容体 |
Research Abstract |
マスト細胞が産生する炎症性サイトカインは,アレルギー性炎症の慢性化に極めて重要を担うことが示唆されており,Liver X受容体(LXR)αおよびβの活性化は炎症性サイトカインを負に制御する。[目的]そこで,本年度は,LXRを介して発現が抑制されるマスト細胞の炎症性サイトカインの内,IL-6,IL-1α,IL-1βについてさらに詳細な解析を行ない,LXRαおよびβの依存性およびSUMO化の関与を明らかにすることを目指した。マスト細胞の活性化を誘導する刺激剤としては,IgE+Ag,LPSを使用した。また[結果](1)LXRの活性化により,IgE+Ag,LPS刺激によるTNF-α産生は抑制されなかった。(2)LXRの活性化により,IgE+Ag刺激による1レ6産生は抑制されないが,LPS刺激によるIL-6産生は抑制された。(3)LXRの活性化により,IgE+Ag,LPS刺激によるIL-1α,IL-1βの産性は抑制された。χLXRαではなくLXRαβのDKOマスト細胞でのみ,これらのサイトカイン産生抑制は誘導されなかった。[考察]以上の結果から,LXRβがLXRを介したマスト細胞の炎症性サイトカインの産生抑制に重要な役割を果たしていることが明らかになった。ステロイドと異なり,TNF-α産生は抑制しないことからLXRの活性化が新たな抗炎症の作用点と成り得ると考えられた。しかしながら,本研究において,LXRαβのDKOマウスは,繁殖能が著しく低下しているために,残念ながら当初計画していたLXRβのSUMO化に関する解析に十分な数のマスト細胞を得ることができなかった。現在,この問題をクリアするために,LXRαβのDKOマスト細胞由来の不死化細胞の樹立に着手している。
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Research Products
(1 results)