2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペニシリン低感受性B群連鎖球菌のセファロスポリン耐性化に関する解析
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22790960
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
木村 幸司 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (50425675)
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Keywords | ペニシリン / ベータラクタム系薬 / 薬剤耐性 / B群連鎖球菌 / セファロスポリン / ペニシリン結合たんぱく / GBS / PRGBS |
Research Abstract |
ペニシリン低感受性B群連鎖球菌(Group B streptococci with reduced penicillin susceptibility, PRGBS)のうち、セファロスポリン系薬に高いMIC値を示す株(セファロスポリン耐性株)は、PBP2X遺伝子のみならず、PBP1A遺伝子に変異を有しているが既に明らかであった。この二つの遺伝子に変異が入っていることが、セファロスポリン耐性機構の主たる要因であるとの仮説を証明するため、以下の実験を行った。 1、allelic exchange ベータラクタム系薬感受性GBSにセファロスポリン耐性株由来の変異の入ったPBP2X遺伝子、PBP1A遺伝子を順次、染色体上に導入し、セファロスポリン系薬に耐性を獲得するかを検討した。セファロスポリン耐性株由来の変異の入ったPBP2X遺伝子、PBP1A遺伝子を導入した株は、親株と同等にセファロスポリン系薬に高いMIC値を示した。このことからPBP2X遺伝子、PBP1A遺伝子の変異がPRGBSのセファロスポリン耐性機構の主たる要因であることが明らかになった。 2、PBP binding assay セファロスポリン耐性株及び先のallelic exchangeで得た組換え体の膜画分を粗精製し、蛍光ペニシリンと反応させ、SDS-PAGEで展開し、PBP蛋白群を可視化した。PBP1Aに対する抗体を合成ペプチドを抗原にしてウサギを用いて作成し、可視化したPBP蛋白群のうち、いづれがPBP1Aに相当するバンドであるかを明らかにした。
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Research Products
(13 results)