2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790967
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯島 豪 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00568230)
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Keywords | 先天性奇形症候群 / 遺伝子 / ゲノムワイド解析 |
Research Abstract |
Kenny-Caffey症候群(KCS)は、著明な低身長、副甲状腺機能低下症、長管骨の骨膜肥厚と髄質の狭小化、大泉門の開大と閉鎖遅延、目の異常を伴う症候群である。新生児期から低カルシウム血症によりけいれんを起こし、成長障害を伴うため著明な低身長を呈する。KCSには、1型と2型が存在する。KCS1型は、1998年にクウェートの近親婚の8家系の連鎖解析から原因遺伝子が常染色体1q42-43にあることが報告され、2002年にTBCE(tubulin chaperone E)遺伝子が原因であることが明らかにされた。KCS2型は、文献上も報告数が少なく、現在のところ、原因遺伝子は同定されていない。日本においても、これまで4例の散発例しか報告されておらず、de novoの変異による単一遺伝子異常が原因として想定されている。そこで、これまで日本で報告のあったKCS2型の全4例の主治医と連絡をとり、本研究への協力を依頼して、患者および健常家族(両親および同胞)から、同意を取得して、貴重な末梢血検体を収集した。その結果、KCS2型罹患している全4例とその健常家族(両親および同胞)9例の合わせて13検体を取得した。最初に、症例4例についてKCS1型の原因遺伝子であるTBCE遺伝子について直接シークエンス法を行い、変異のないことを確認した。次に、今回収集した13検体のコピー数多型解析およびエクソームシークエンス解析を施行した。今回のエクソームシークエンスでは、coverageが6割弱であった。MUC4(NM_018406)、PRR21(NM_001080835)、FAM111A(NM_001142521)などが候補に挙がったが、エクソームシークエンスで変異が同定されやすい遺伝子であったため、原因とは考えにくかった。今後は、エクソームシークエンスの詳細なデータを確認して機能的に似た遺伝子の変異を調べるとともに、エクソームシークエンスで読めていない場所に原因がある可能性も考え、全ゲノム解析を考慮している。
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