2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22790972
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鳴海 洋子 信州大学, 医学部, 助教 (60523074)
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Keywords | パリスターホール症候群 / 視床下部過誤腫 / 多指症 / 外性器異常 |
Research Abstract |
国内におけるパリスターホール症候群(以下PHS)患者の自然歴や臨床像の確立を行うため、国内のPHS患者の実数把握と試料収集を行った。研究協力に同意が得られた患者については続いて分子遺伝学的解析と臨床症状解析を行った。 前年度に引き続いて、国内患者の実数把握を目的として、全国の医療施設を対象に調査をおこなった。対象は日本小児総合医療施設協議会に加盟している小児専門病院24施設で、PHSの特徴的臨床症状の診療と関係する小児科、内分泌科、形成外科、脳神経外科を主とする71診療科を調査対象とした。各診療科に宛て、PHS患者の受診状況について郵送にて問い合わせを行った。 全71診療科のうち回答が得られたのは34診療科であった。施設問における患者の重複は除外し、計4施設でPHS患者の受診が確認されたが、患者が現在も診療を継続しており、遺伝学的解析への協力が得られたのは1施設1名であった。主治医を通してGLI3遺伝子解析協力への説明を行い、同意が得られた患者の血液由来のDNAを用いてGLI3遺伝子解析を行った。その結果、exon15にナンセンス変異が同定された。この変異は前年度に解析を行った別の家系で同定された変異と同じ塩基置換を伴う変異であり、海外ではこれまでに報告されていない変異であった。 前年度までの解析と合わせて、国内GLI3遺伝子変異陽性例は全てナンセンス変異で、エキソン13-15内に集積が見られた。GLI3変異陽性例では男女比が1:2であり、PHSに特徴的とされる二分喉頭蓋裂、心臓などの合併症は全例認めなかった。しかし、腎合併症は3例中1例(腎低形成)、外性器異常を認めたのは3人中2人であり、GLI3における泌尿生殖器発生過程への影響が推察された。
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Research Products
(4 results)