2010 Fiscal Year Annual Research Report
気道粘膜におけるTIM-1の機能および気管支喘息への関与についての解析.
Project/Area Number |
22790973
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 法元 信州大学, 医学部, 助教 (00362129)
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Keywords | TIM-1 / ファゴサイトーシス / 自然免疫 / アレルギー / 気道上皮細胞 |
Research Abstract |
結果 1、フローサイトメトリーを用いて細胞表面へのTIM-1の発現を検討した。抗ヒトTIM-1抗体MAB1790をbiotin化しavidin-PEを用いて検出した.以前報告した腎癌由来のセルライン769PおよびII型肺胞上皮細胞由来のセルラインA549において発現を認めたが、気管上皮細胞由来のBEAS-2Bでの発現はほとんど認めなかった。また、神経芽細胞腫由来のNE-1では発現を認めなかった。 2、抗ヒトTIM-1抗体MAB1790を用いウェスタンブロッティングにより、TIM-1蛋白の発現を検討した。769Pでは、80~90kDaに強い発現を認めた。A549でもバンドが検出されたが769Pと比較し発現は弱かった。ヒト胎盤由来セルラインJEGでもA549とほぼ同等の発現を認めた 3、769P、A549とBEAS-2Bを用いて、アポトーシス細胞の細胞質内への取り込みを検討した。A549では、アポトーシス細胞の細胞内への取り込みを認めたが769Pに比較し、取り込みは少なかった。このアポトーシス細胞の取り込みは、抗TIM-1抗体により阻害された.一方、BEAS-2Bでは細胞表面へのアポトーシス細胞の付着は認めたが、TIM-1の細胞表面での発現もわずかであり、アポトーシス細胞との付着への関与はないと考えられた。 考察 気道上皮細胞では、肺胞を構成するII型肺胞上皮細胞由来のA549ではTIM-1の発現を認めアポトーシスの処理に関与する可能性が示唆されたが、気管扁平上皮由来のBEAS-2BではTIM-1の発現をほとんど認めず、気管におけるTIM-1の役割について検討できなかった。
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