2011 Fiscal Year Annual Research Report
気道粘膜におけるTIM-1の機能および気管支喘息への関与についての解析
Project/Area Number |
22790973
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 法元 信州大学, 医学部, 助教 (00362129)
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Keywords | TIM-1 / ファゴサイトーシス / 自然免疫 / アレルギー / 気道上皮細胞 |
Research Abstract |
平成22年度の解析で、肺胞を構成するII型肺胞上皮細胞由来のA549ではTIM-1の発現を認めアポトーシスの処理に関与する可能性が示唆されたが、気管扁平上皮由来のBEAS-2BではTIM-1の発現をほとんど認めず、気管におけるTIM-1の役割について検討できなかったため、平成23年度は、A549細胞を中心とした検討を行った。 結果 1)気道上皮細胞セルラインについて、BEAS-2Bを、apoptosis細胞と共培養しTIM-1の発現を検討したが、realtime-PCRおよびフローサイトメトリーで発現を認めなかった。 2)TSLP、IL-33および、近年アレルギー疾患との関与が報告されているパターン認識受容体である、TLR4,TLR5,CARD12,CARD15,NOD2のrealtime-PCRによる発現解析の基礎実験をヒト末梢血単核球、リンパ球分画、単球分画およびA549を用いて行ない、実験系を確立した。 3)アポトーシス細胞との共培養では、A549における上記のmRNAの発現の増強は認めなかった。 考察 平成23年度は、実験系の確立と、アポトーシス細胞による刺激でのTIM-1の気道上皮細胞における機能について検討したが、アレルギーや炎症との関与を証明できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画していた気道上皮におけるTIM-1の機能について、喘息と直接関与していると考えられる気管上皮細胞での発現が証明できなかった。現在、発現を認めた肺胞上皮細胞に集中して解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
肺胞上皮細胞におけるTIM-1とアレルギー発症の病態を明らかにするため、アレルゲンを用いた実験を行なう。平成23年度までに確立した実験系を用いて、各種アレルゲンとサイトカイン等を組み合わせて刺激による、TSLP等のmRNAの発現を、TIM-1抗体の存在、非存在下で検討する。また、平行して、入手可能な気管上皮細胞について、TIM-1の発現を検討する。
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