2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES/iPS細胞からの造血幹細胞及び機能的赤血球の誘導
Project/Area Number |
22790979
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丹羽 明 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (20546999)
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Keywords | ヒトES/iPS細胞 / 造血細胞分化 / 無血清培養 |
Research Abstract |
無血清培地とサイトカインのみを用い、ヒトES/iPS細胞から中胚葉系前駆細胞を経て各種造血細胞を効率よく分化誘導する方法を確立した。最初に、マトリゲル上の未分化なEs/iPS細胞に対し、BMP4,VEGFなどの中胚葉誘導サイトカインを至適濃度で段階的に添加した結果、胚発生過程同様にまず原始線条、次に中胚葉系前駆細胞(ヘマンジオブラスト)を順序よく誘導することに成功した。次に、SCF,TPO,FL、EPOなどの造血サイトカインを目的に応じて組み合わせることにより、上記のヘマンジオブラストから様々な種類の血液細胞を効率よく誘導する方法を確立した。得られた好中球や赤血球は、生体の血球同様の機能を持つことが証明された。また、本培養系におけるES/iPS細胞由来の造血過程を赤芽球のヘモグロビン発現パターンを指標に解析したところ、興味深いことに本系では胎仔期に一過性に見られる1次造血型から、成人で見られる2次造血型へのスイッチが経時的に起きていることがわかった。さらに、タイムラプス撮影によって、造血細胞が新たに出現し移動しながら造血コロニーを形成する様子を捉えることに成功した。これらの成果をPLoS ONE,Vol6(7),2011に報告し、また国際幹細胞学会、日本血液学会、日本再生医療学会等でも発表した。
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