2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己血管内皮前駆細胞による血友病Aに対する新規細胞療法の確立
Project/Area Number |
22790995
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松井 英人 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00571027)
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Keywords | 血友病A / 血管内皮前駆細胞 / レンチウイルスベクター / 遺伝子治療 / 細胞療法 / イヌモデル |
Research Abstract |
血友病Aは血液凝固第VIII因子の量的および質的異常によりおこる先天性血液凝固異常症で、現在、血漿由来および遺伝子組み換え第VIII因子製剤を輸注する補充療法が治療法として確立されている。しかし第VIII因子製剤は高価であり、世界的に見れば約50%の患者が十分な治療を受けることができていない。また過去に血液製剤による肝炎およびHIV感染症が問題となり、現在はさらにより安全でかつ有効な次世代の治療法として遺伝子治療ならびに細胞療法の確立が期待されている。血友病Aの場合第VIII因子の発現量を厳密に制御する必要がなく、最低でも第VIII因子が1%以下の重症型血友病A患者の第VIII因子発現量を5%以上に保つことができれば十分な止血効果は期待でき、患者QOLは劇的に改善する。今回我々は血友病イヌモデル実験システムを用いて免疫応答を可能な限り回避することを目的として、自己末梢血より単離培養した血管内皮前駆細胞(Blood Outgrowth Endothelial Cells : BOECs)に第VIII因子遺伝子をEx Vivoで導入する新しい細胞療法の確立を試みた。 まず本年度は4匹の血友病イヌからBOECsの単離培養に成功した。発現を制御するプロモーターが異なる4種類のイヌ第VIII因子発現レンチウイルスベクタープラスミドを構築し、全てにおいて高力価(5x10^7-1x10^8IU/ml)のウイルスベクターの作製が可能であった。今後イヌモデルでの細胞移植実験にむけて、In VitroでBOECsにおける遺伝子導入効率を検討していく予定である。
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