2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患の病態におけるガレクチンの免疫調節機能とその治療戦略
Project/Area Number |
22791003
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
工藤 孝広 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90365601)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / ガレクチン / サイトカイン |
Research Abstract |
炎症性腸疾患(IBD)は腸管に慢性炎症をきたし再燃寛解を繰り返す慢性炎症性疾患であり、最近では自然免疫や遺伝的背景の関連が注目されてきている。一方、ガレクチンは糖を認識するドメインを持つ蛋白で自然免疫系細胞と獲得免疫細胞の両者に関与していることが報告されている。ガレクチンとIBDの関連についてさらなる検討が必要であるが、その報告は1つのみである。そのさらなる検討のため、ガレクチン-1、-3、炎症性サイトカインであるIL-6、Th1サイトカインであるIL-12、IFN-γ、TNF-α、Th2サイトカインであるIL-4、IL-5、Th17サイトカインであるIL-17、IL-23、調節性T細胞のサイトカインであるIL-10、TGF-β、単球系のGM-CSF、MCP-1などの種々のサイトカインや、転写因子としてTh1細胞はT-bet、Th2細胞はGATA3、調節性T細胞はFoxp3、Th17細胞はRORγtなどのシグナル分子の発現をreal-time PCRやELISAを用いて解析する。本研究は、これらの実験によりIBDの病態とガレクチンとの関連性について解析し、IBDの病態を明らかにする検討である。現在までに、検体採取・保存、細胞培養、real-time PCR解析、ELISA解析を実施できるような準備を行っている。また、潰瘍性大腸炎群、クローン病群、コントロール群の粘膜検体の採取を開始している。採取した一部の検体をreal-time PCRによりガレクチン、サイトカインを確認している。しかし、検体数が少ないために、比較検討し統計学的有意差を解析するまでには至っていない。今後は、検体数を増やしていくことによりガレクチンとIBDの病態について比較検討できるものと考えている。
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