2011 Fiscal Year Annual Research Report
血中難溶性ユビキチン化タンパク質の測定によるポンペ病骨格筋病変評価法の開発
Project/Area Number |
22791005
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嶋田 洋太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20560824)
|
Keywords | ポンペ病 / ユビキチン |
Research Abstract |
今年度は、昨年度ポンペ病モデルマウスの血漿中で増加していることを見出した58kDaユビキチン化タンパク質の特徴付け及びその測定を中心に研究を進めた。ポンペ病モデルマウスの大腿四頭筋および血漿を抗K63ポリユビキチン鎖特異的抗体で解析したところ、両検体ともに58kDaタンパク質のみが顕著に増加していることを見出した。この結果より、58kDaタンパク質がユビキチン分子内のK63を介したポリユビキチン鎖を含むことが判明した。さらに、抗K63ポリユビキチン鎖抗体を用いて大腿四頭筋における抗ユビキチン抗体陽性凝集体の蓄積について解析したところ、オートファゴソームの蓄積と同様の経時的蓄積が認められ、抗LC3抗体との免疫二重染色によりオートファゴソームと共局在していることを確認した。この結果より、血漿中の58kDaタンパク質の増加は大腿四頭筋内のオートファゴソームの蓄積と連動していると考えられた。さらに、様々な月齢のボンペ病モデルマウス血漿における58kDaタンパク質を抗ユビキチン鎖抗体で解析したところ、生後1ヶ月齢の段階ですでに顕著な増加が認められ、大腿四頭筋におけるオートファゴソームの蓄積と同様に経時的に増加していくことが判明した。また、欠損酵素を投与してもオートファゴソームの蓄積と同じく58kDaタンパク質量に大きな変化は認められなかった。免疫組織化学的解析では2ヶ月齢からモデルマウスの大腿四頭筋内でオートファゴソームの蓄積が検出可能となることを昨年見出しているが、血漿中の58kDaタンパク質の測定はより高感度に骨格筋内のオートファジーの異常を検出することができる可能性が考えられた。
|