2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘモグロビンクラススイッチの解明とヘモグロビン異常症の新しい治療戦略の基礎的研究
Project/Area Number |
22791007
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
早川 潤 日本医科大学, 医学部, 講師 (10386196)
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Keywords | ヘモグロビンクラススイッチ / 造血幹細胞 / 臍帯血 / 胎児型ヘモグロビン / ヘモグロビン異常症 |
Research Abstract |
本プロジェクトの一年目として22年度は、すでに早川が米国に留学していた期間に実施してきた予備実験を解析、それから得た知見の成果をNIH(NHLBI,Molecular and Clinical Hematology Branch)と共同でまとめ、その一部を論文にした(The assessment of human erythroid output in NOD/SCID mice reconstituted with human hematopoietic stem cells,Cell Transplant 2010)。その中でヒト化免疫不全マウスの体内で移植したヒト臍帯血がヘモグロビンクラススイッチを起こすことを報告した。日本ではヘモグロビン異常症の患者数は希有なもののであるので、本研究の重要性を認知してもらうために平成22年日本血液学会で発表した。 また22年度の予算で造血幹細胞を用いたerythroid系への分化誘導の実験系を導入するため、ヘモグロビン分画を解析する電気泳動装置、造血幹細胞からerythroid系への分化誘導するための各種血清、サイトカイン、それをフローサイトメーターで解析するための各種抗体を購入し、造血幹細胞から18日間でEyrthroid系細胞に分化していく様子をCD71、GPA抗体で確認した。我々は細胞分離する時に高速細胞分離器(バンテージなど)を持っていないため、MACS BeadsでCD71、GPA陽性細胞を選択する手法を導入した。今後はヒト臍帯血を用いるため、大学倫理委員会に申請する臍帯血を使用するための書類制作に従事した。またNOGマウスを使用するために、動物実験管理委員会および実験中央動物研究所に申請する準備をした。 さらに新たにサイトカインアレーを用いて、学内倫理委員会の承諾を得た後に、骨髄にストレスがかかる骨髄異形成症や再生不良性貧血などの無効造血を繰り返し徐々に血液分化障害をともなう疾患とITPやウイルス感染に伴う血球貪食症などの感染で急激に血液分化障害を起こした患者の血清サイトカインを比較することによるerythroid系分化への影響。異常分娩でうまれた児の臍帯血と正常分娩で生まれた児の臍帯血を比較することでHbFの発現やerythroid系細胞への分化の状況を解析することの検討を始める。
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Research Products
(2 results)