2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会的相互作用障害における脳内ヒストン修飾作用の関与
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22791013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
水間 広 独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ機能評価研究チーム, 研究員 (00382200)
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Keywords | ヒストン修飾 / PET / 社会的相互作用 / ラット |
Research Abstract |
本研究では、可逆的な遺伝子発現調節機構のひとつであるヒストンへの修飾作用が社会性相互作用の障害との関連性を明らかにする。昨年度に引き続き、社会性相互作用が形成される生後発達期から成熟期に重点を置き、脳局所におけるヒストン修飾の変化を確認するために、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)を用いたヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)のin vivoイメージングを行った。PETプローブにはHDAC阻害剤であるSAHAの類縁体で6-([F-18]-fluoroacetamide)-1-hexanoicanilide([F-18]FAHA)を用いた。ラットを4つの発達段階(4、8、24、96週齢)に分けて幼若から老齢までの脳における[^<18>F]FAHAの取り込み量を観察した結果、[^<18>F]FAHAは成熟期である24週齢まで増加し、老齢期では成熟期に比較して減少した。脳局所の変化では線条体および視床での[^<18>F]FAHA取り込み量が小脳や延髄よりも高値であった。これらの脳部位における[^<18>F]FAHAの取り込みはradio-TLC法による代謝物解析からHDACとの反応であることを確認し、また、in vitroオートラジオグラフィ法により、HDAC1,2,3および6の選択的な阻害を確認した。これらのことから、[^<18>F]FAHAによるin vivoでの脳内HDAC活性を捉えることに成功し、発達に伴い局所で変化する可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生後発達段階での脳内ヒストン修飾を非侵襲的に可視化することに成功し、成長に伴う脳局所変化をする確認することが出来たことは、今後のヒトの臨床研究に向けた基礎データと成り得たと考えられ、概ね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、社会性障害モデル動物を用いた生体イメージングを行い、死後脳を用いた組織学的研究との照合を進めて行く。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Activity-related changes in brain HDAC with [F-18]FAHA PET in rats and monkeys2011
Author(s)
Nishii R, Mizuma H, Kagawa S, Yamanaka H, Tachibana A, Takahashi K, Higashi T, Gelovani JG, Onoe H
Organizer
SNM2011, 58th Annual Meeting of Society of Neclear Medicine
Place of Presentation
San Antonio, TX, USA
Year and Date
20110604-08
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[Presentation] 脳内ヒストン脱アセチル化酵素活性の脳神経活動に伴う変化:[^<18>F]FAHAを用いた検討2011
Author(s)
西井龍一, 水間広, 加川信也, 立花晃子, 大野正裕, 平尾有日子, 高橋和弘, 東達也, 長町茂樹, 川井恵一, 田村正三, Juri G Gerovani, 尾上浩隆
Organizer
第6回日本分子イメージング学会
Place of Presentation
神戸
Year and Date
2011-05-26