2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハイスループット探索を用いた難治性神経芽腫のがん幹細胞標的療法の開発
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22791017
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
竹信 尚典 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ, 研究員 (60392247)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 発がん / 分化 |
Research Abstract |
神経および脳腫瘍の幹細胞マーカーであるCDI33は、神経芽腫の幹細胞が濃縮される浮遊細胞塊(以下スフェア)培養において発現が誘導された。また、CD133を発現した神経芽腫細胞では、細胞の分化に関わる受容体分子RETの発現が、p38MAPKおよびAKTのシグナル活性化を介して抑えられることが明らかとなった。また、CD133を過剰発現するとスフェア内での細胞の生存率の上昇が見られ、CD133はがん幹細胞の維持重要な役割を持つことが示唆された。このことから、神経芽腫幹細胞においてCD133が発現誘導されており、その結果分化が抑制されぐCDI33は神経芽腫の悪性化に寄与していることが示唆された。この結果はOncogene誌に掲載された(Oncogene, 2011,(30)97-105)。また、神経芽腫スフェアではCD133の5つのプロモーターのうち、プロモーターPlが特異的に使用され、転写が誘導されていることが明らかとなった。また、そのプロモーターPl領域に結合する転写因子を1つ同定した。その転写因子を神経芽腫細胞で過剰発現または発現抑制をおこなうことで、発現量に応じてスフェア形成が誘導され、in vitro, in vivoにおける細胞増殖は促進された。さらに転写因子のCD133のプロモーターP1への直接結合が観察され、神経芽腫のスフェア形成において、転写因子はCD133の発現を介して神経芽腫の幹細胞性を制御していることが明らかになった。スフェア形成時および転写因子を発現させた神経芽腫では、CD133のプロモーターP1におけるピストン修飾は、コントロールの細胞に比較して活性化されており、転写因子は何らかの機構でエピジェネティックな変化を誘導することが示唆された。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Identification of key molecules that regulate neuroblastoma sphere formation2012
Author(s)
竹信尚典,下里修,秋田直洋,山口陽子,上原悠,藁谷美雪,吉田早哉香,落合秀匡,大平美紀,中川原章,上條岳彦
Organizer
第54回日本小児血液・がん学会学術集会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20121100
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