2011 Fiscal Year Annual Research Report
Lタンパク質を標的としたパラミクソウイルス感染症治療薬の開発
Project/Area Number |
22791018
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
關 文緒 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 研究員 (20443111)
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Keywords | 麻疹ウイルス / Lタンパク質 / Pタンパク質 / タンパク質発現 |
Research Abstract |
本年度の研究では、Lタンパク質とPタンパク質の結合部位の同定を目的として、Lタンパク質N末端480アミノ酸と相互作用するPタンパク質部位をmammaliantwohybrid法で解析した。Pタンパク質C末端のアミノ酸は20アミノ酸削ったところでLタンパク質N末端との作用が低下した。このことから、Pタンパク質はC末端でLタンパク質N末端と相互作用していることが明らかになった。また、Pタンパク質のmultimerizationドメインを削除すると作用しなくなることから、Pタンパク質単量体の状態ではLタンパク質と作用できないことがわかった。このPタンパク質のmultimerizationドメインからC末端の過剰発現がウイルス増殖に影響するか調べるために、ルシフェラーゼ遺伝子を持つ麻疹ウイルスミニゲノムとN,L,変異を導入したPタンパク質をほ乳類細胞に発現させ解析したところ明らかな影響は認められなかった。また、P-L結合部位を含むLタンパク質の構造解析を目的として、Lタンパク質の大量発現系を大腸菌で検討した。Lucプロモーター下流で発現するpETベクターとほ乳類コドンを補完した大腸菌株Rosettaの組み合わせで発現検討を行ったところ少量のタンパク質発現が認められたが、タンパク質は封入体を形成した。このため、発現量を増加させるためLタンパク質をコードする遺伝子を大腸菌のコドンに適応させた遺伝子合成を行った。また、タンパク質の可溶性を増加させるため低温で発現するpColdベクターとシャペロンタンパク質を発現する大腸菌株の組み合わせで発現検討を行った。結果、シャペロンタンパク質と融合発現するpColdTFベクターを使用することでLタンパク質が可溶性タンパク質として得られ、大腸菌コドンに適応させたLを用いたことで大量発現が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的とするタンパク質相互作用部位は同定したがウイルス増殖への影響については解析中である。また、タンパク質構造解析では、大量発現系は作製できたがタンパク質精製方法については検討中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAポリメラーゼ機能の阻害について同定したPタンパク質ドメインについて解析を続ける。本年度の結果から同定したドメインが阻害機能を持たない可能性があるので、Pタンパク質と同様にLタンパク質と作用するCタンパク質についても同定部位の特定を行う。また、タンパク質構造解析では、本年度作製した大量発現系をもとにタンパク質精製を行い、構造解析を行う。
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