2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人プラダーウィリー症候群患者における病因構成比率の変化とその原因
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22791022
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
松原 圭子 独立行政法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 共同研究員 (90542952)
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Keywords | 遺伝学 / 先天異常 / Prader-Willi症候群 / 高齢出産 / トリソミーレスキュー |
Research Abstract |
本研究計画においては以下の4点を研究計画に掲げ、平成22年度では、(1)と(3)を行った。 (1)PWS発症原因解析、(2)PWSにおける表現計-遺伝型の関連の解析、(3)PWS病因構成比率の変化の統計学的解析、(4)生殖補助医療とPWS発症の因果関係の解明 (2)、(4)については引き続き平成23年度に実施する予定である。 (1)に関して、PWS162症例の分子遺伝学的解析(FISH解析、マイクロサテライト解析、MLPA法)を通じ、116例の父性由来15番染色体PWS領域の欠失、32例の15番染色体母性片親性ダイソミー(うち、第1減数分裂不分離後のtrsiomy rescueによるもの19例、第2減数分裂不分離後のtrisomy rescueによるもの9例、monosomy rescueによるもの4例)、エピ変異2例、染色体構造異常を有する3例、インプリンティング調節領域の微小欠失1例を同定した。 (3)に関して、近年の高齢出産傾向を反映して、第1減数分裂不分離後のtrisomy rescueによるupd(15)matが増加することが推測されるため、発症原因別の患者群における患者出生時母親年齢の比較と、高齢出産傾向がより顕著となった2003年前後における第1減数分裂不分離後のtrisomy rescuc患者(TR【M1】群)の相対的頻度の比較を行った。その結果、患者出生時母親年齢は、TR【M1】群で(中央値37歳、範囲35-45歳)、欠失群(30歳、19-42歳)に比し、有意に高年齢であった(P=1.0×10^<-07>)。また、欠失群とTR【M1】群の相対的頻度は、2002年以前(欠失80.0%、TR/GC【M1】4.0%)と2003年以降(欠失57.1%、TR/GC【M1】28.6%)の間で有意に変化していた(P=1.8×10^<-07>)。出産年齢の上昇は、第1減数分裂時の不分離とTrisomy rescueを介したupd(15)matの相対的増加に関与していると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] The IG-DM and MEG3-DMR at human chromosome 14q32.2 : hierarchical interaction and distinct functional properties as imprinting control centers2010
Author(s)
Kagami M, O'Sullivan MJ, Green AJ, Watabe Y, Arisaka O, Masawa N, Matsuoka K, Fukami M, Matsubara K, Kato F, Ferguson-Smith AC, Ogata T
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 17;6(6)
Pages: e1000992
Peer Reviewed
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