2012 Fiscal Year Annual Research Report
先天性サイトメガロウイルス感染が顕性感染へと至るリスク判定法の開発
Project/Area Number |
22791034
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
生田 和史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60512184)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 先天性感染 / サイトメガロウイルス / 血清疫学 / ELISA法 / リアルタイムPCR法 |
Research Abstract |
妊娠中のサイトメガロウイルス(CMV)初感染は、多くの胎児に先天性感染を引き起こす。顕性感染では精神発達遅滞や聴覚障害などが認められる。先天性CMV感染の80%は不顕性感染であるが、成長に伴い聴覚障害などを発症する例もある。初感染のみでなく、妊娠中に中和できないタイプのCMVに重感染すると、既感染妊婦でも先天性CMV感染は起こりうる。我々の研究室ではCMVのgH領域に対する血清抗体から感染しているCMV型を判別できるELISA法を有しており、また前年度までにCMV型判別用のリアルタイムPCR法を開発した(J Clin Microbiol 2012)。健常妊婦344人におけるCMV抗体保有率は68%であり、型別抗体保有率はCMV-ADが41%、CMV-Toが18%、重感染が6%であった。gHに対するIgG抗体のサブタイプはIgG1とIgG3に偏っており、胎児に移行抗体として運ばれうるサブタイプであった。胎児における感染防御を担っていることが示唆された。先天性CMV感染において、顕性感染では移行抗体となりえないIgGサブタイプに偏りがあると仮定して検証を行ったが、顕性感染へのリスク因子として見出すには至らなかった。CMV感染児における尿中CMV型、また児と母親におけるCMV血清型の検討を行った。血清型の検索により見つかった重感染を精査したところ、当初認められていた2つの型(CMV-ADとCMV-To)のCMV抗体のうち一方(CMV-To)が生後1か月以降消失した例を確認した。尿中ウイルスが1種類(CMV-AD)であることからも、消失した抗体は移行抗体であったと考えられる(in submission)。 CMVの重感染例でも先天性CMV感染が起こり、異型の移行抗体では防御できていないことが明らかに出来た。今後は病原性に寄与しうるCMV型を特定・解析出来る方法の確立に努めたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)