2012 Fiscal Year Annual Research Report
G-CSFの幹細胞血液中動員作用による慢性肺疾患治療の為の基礎的検討
Project/Area Number |
22791037
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北東 功 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00296625)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 再生医療 / 慢性肺疾患 / G-CSF |
Research Abstract |
G-CSF投与が、高濃度酸素負荷による肺の気腫状変化を有意に軽減させた事を昨年度報告した。そこで本年度も引き続き効果のメカニズムについて検討を行った。 出生直後の新生仔マウスを21日間80%酸素下または室内気で飼育した。生後23日目からG-CSFを体重1gあたり0.5μg腹腔内投与を5日間行った。対照として生理食塩水を投与した。投与終了2日後に肺を摘出し組織所見を検討、また気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、BAL中の細胞数と細胞分画の検討、BAL中サイトカインの定量(IL-1ベータ、IL-5、IL-6、IL-10、TNFアルファ)を行った。 BAL中細胞数は酸素投与グループで有意に増加していた。酸素投与グループではG-CSF投与群と生食投与群間で細胞数に有意差は認めなかった。しかし細胞分画の検討では、G-CSF投与群で生食投与群に比べ好酸球数が有意に減少していた(p<0.02)。室内気グループでは、G-CSF投与群と生食投与群では細胞数、細胞分画に有意差は認められなかった。組織所見上は、G-CSF投与直後では気腫化の改善は認められなかったものの、好酸球の浸潤が低下していた。サイトカイン定量では、酸素投与グループですべてのサイトカインが上昇していたが、G-CSF投与群で生食投与群に比べ炎症性サイトカインは低下傾向であった。室内気グループでは両群ともにサイトカインの上昇は認めなかった。 G-CSF投与は高濃度酸素投与による好酸球の浸潤を抑制した。文献では、慢性肺疾患の発症と好酸球の関連の報告も認められており、本結果はそれを実験的に証明したものと考える。G-CSF投与群で炎症性サイトカインの発現が低下傾向であったため、G-CSFによる抗炎症作用で高濃度酸素暴露による炎症が抑制され、炎症からの回復が速やかであった事がG-CSF投与による気腫状変化の改善に寄与したものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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