2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトVII型コラーゲン含有ミルクによる表皮水疱症の治療
Project/Area Number |
22791047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 圭 北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (20421977)
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Keywords | 皮膚病理学 / 蛋白補充療法 |
Research Abstract |
<計画・方法> 研究計画4.疾患モデル動物(マウス)への投与・治療効果判定 平成23年度、年次研究計画に従って、投与実験を行った。 投与対象:A.VII型コラーゲンノックアウトマウス新生児(COL7KO)、B.栄養障害形表皮水疱症モデルマウス(ヒト変異型VII型コラーゲンレスキューマウス) 投与物質:1.母乳から精製したVII型コラーゲン蛋白、II.ヒトVII型コラーゲン蛋白含有母乳 投与方法:(1)経口投与(飲用)、(2)経皮投与(外用)、(3)皮下、腹腔内投与(注射) これらの方法を組み合わせて、投与実験を行った。 <結果> 上記について予備実験を行ったところ、以下の問題点が明らかとなった。 i)VII型コラーゲンノックアウトマウス新生児は生後1週間ほどで死亡するため、生後直後から治療実験を開始したが、母乳分泌期にあるヒトVII型コラーゲンを母乳中に強制発現するTGマウスを仮親とした投与実験では、新生児への授乳が困難であった。さらに注射器やゾンデによる強制給餌などで経口投与を試みたが、充分な量の乳汁を経口摂取させることは極めて困難であった。このことから、新たに母乳中にヒトVII型コラーゲンを強制発現し、マウスVII型コラーゲンノックアウトヘテロマウスを作製して、実親による欠損蛋白補充療法を検討した。 ii)乳汁からのVII型コラーゲンの精製は平成23年度の実験計画により成功し、純度の高いヒトVII型コラーゲンを乳汁から精製可能となっている。しかし、乳汁採取量が極めて小さいこと、また精製過程での損失が大きく、投与実験に供するための充分な精製VII型コラーゲンの取得が困難であった。このため、母乳中にヒトVII型コラーゲンを強制発現させる母乳COL7Tgマウスを大量飼育してVII型コラーゲン含有乳汁の蓄積を行い、同時に効率的な精製方法の検討を行った。
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