2010 Fiscal Year Annual Research Report
Th17を制御する転写因子RORγt発現による接触皮膚炎反応減弱メカニズムの解明
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22791052
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤澤 康弘 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70550193)
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Keywords | RORγt / Th17 |
Research Abstract |
本年は観察された事象について、つまりRORγtを強制発現した造血幹細胞移植により起きる接触皮膚炎減弱について得られたデータの解析を行った。まずはドナーマウスの骨髄よりLineage marker negative, c-kit positive細胞をpurifyし、その血球計幹細胞を含む細胞群にRORγt遺伝子をレトロウイルスベクターにより導入し、450cGyを2回照射されたレシピエントマウスに移植した。移植細胞は問題なく生着し、各Lineageへと分化していることをFACS解析で確認した。20週を超えてStable reconstitutionとなった段階でジニトロフルオロベンゼン(dinitrofluorobenzene、DNFB)を用いた接触皮膚炎誘発を行った。その結果、RORγtを遺伝子導入した幹細胞による移植を受けたマウスでは著明な接触皮膚炎反応の減弱が見られた。この現象が骨髄移植という手技によるものでは無いことを証明するために、移植マウスよりCD4陽性T細胞をpurifyし、wildtypeのマウスにdonor lymphocyte infusion(DLI)を施行し、同様のDNFBによる接触皮膚炎反応を見たところ症状の再現が可能であった。従って、骨髄移植マウスのCD4陽性T細胞がこの現象を起こしていると考えた。さらにCD4陽性細胞をTh1,Th2,Th17のサブセットで解析したところ、定常状態におけるTh1への誘導が抑制されていることが判明した。また、制御性T細胞(Treg)について解析したところTregの割合が上昇していることも判明した。以上の結果より、Th17サブセットの上昇が何らかのフィードバック経路を通じてTregの誘導を行っている可能性を掴んだ。このデータは速やかに英文論文としてまとめて投稿し、現在出版待ちである。次年度はこのTregに焦点を当ててさらにそのメカニズムについて解明を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)