2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791056
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
常深 祐一郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00361478)
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Keywords | ケモカイン / CCL17 / 創傷治癒 / 表皮 / 線維芽細胞 / nerve growth factor / 肥満細胞 / CCR4 |
Research Abstract |
表皮でCCL17を強発現するCCL17-Tgマウスを維持した。Tgマウスでは創傷治癒が促進することが追試された。創局所にCCL17を投与すると、創傷治癒が促進した。Tgマウスでは肉芽形成が促進しており、局所の肥満細胞、CCR4陽性リンパ球、CCR4陽性線維芽細胞、NGF陽性リンパ球が増加していた。血清NGFも増加していた。肥満細胞cell lineのP815細胞、線維芽細胞cell lineのNIH3T3細胞、マウスより単離した培養線維芽細胞、T細胞hybridomaの2B4細胞にCCR4がRT-PCRレベルで、NIH3T3細胞、培養線維芽細胞、2B4細胞には免疫染色レベルでも発現していた。CCL17は2B4細胞のNGF産生と線維芽細胞の遊走を促進した。以下のようにCCL17は創傷治癒を促進すると想定される。CCL17はCCR4陽性T細胞や線維芽細胞を遊走させ、このT細胞はNGFを産生し、さらに線維芽細胞や創傷治癒に重要である肥満細胞の遊走を促進する。創傷治癒過程は疾患では組織のリモデリングにつながるが、アトピー性皮膚炎(AD)の苔癬化病変で線維化がみられ、CCL17は皮膚炎におけるリモデリングにも関与している可能性がある。CCL17の阻害薬はリモデリングや線維化に対しての治療薬となりうる。セチリジンは表皮角化細胞や線維芽細胞からのCCL17産生を臨床濃度で抑制した。抗ヒスタミン薬がCCL17産生を抑制することで、アレルギー炎症やそう痒の抑制のみらならず組織のリモデリングも抑制する可能性がある。Thymic stromal lymphopoietin (TSLP)は、AD病変部表皮細胞で高発現し、アレルギー炎症の起始因子として注目されているが、樹状細胞の活性化やCCL17産生、肥満細胞活性化を引き起こすため、創傷治癒や組織のリモデリングに関与する可能性がある。曲でのTSLPの関与を血清レベルで検討開始した。
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Research Products
(2 results)