2010 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎における新規ThサブセットTh17及びTh22の役割の解明
Project/Area Number |
22791068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 哲也 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (40452338)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / Th17細胞 / アレルギー |
Research Abstract |
本研究は、近年種々の病態で重要な役割が示唆されている新規T細胞サブセット、Th17細胞及びTh22細胞の、アトピー性皮膚炎における役割の解明を目指したものである。従来アトピー性皮膚炎はTh2細胞による疾患と捉えられ、Th17/22細胞がどのような役割をはたしているかについての解析はほとんど行われていない。アトピー性皮膚炎患者皮膚、末梢血中にTh17細胞の増加が認められるとの報告から、主にTh17細胞に焦点をしぼり、その役割の解析を試みた。方法として、IL-17欠損マウスを、マウスアトピー性皮膚炎モデルに適応してその表現系を解析することを計画した。研究初年度は、まず安定したマウスアトピー性皮膚炎モデル系を構築するため、複数のアトピー性皮膚炎モデルの立ち上げを行った。マウス体幹部の体毛を除去後、卵白アルブミンであるovalbumin(OVA)を剃毛部皮膚に3日間貼付、4日間解放、を繰り返すことでアトピー性皮膚炎に類似した皮膚組織変化、IL-4、IL-13などTh2型サイトカイン上昇、IgEの上昇が報告されていることから、まず同モデルの立ち上げを試みた。一方、ハプテンであるDNFBやオキサゾロンなどを皮膚に反復塗布することでも、アトピー性皮膚炎に類似した組織所見やIgE、サイトカイン上昇も認められるとの報告から、複数のハプテンを用いて同モデルの立ち上げも試みた。いずれのモデルの立ち上げにも成功し、IL-17欠損マウスを同モデルに適応した。その結果、IL-17欠損マウスでは皮膚の炎症所見、IgE量が野生型マウスと比べ低く抑えられていることが判明し、IL-17がアトピー性皮膚炎において重要な役割を持つことが示唆された。
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Research Products
(3 results)