2011 Fiscal Year Annual Research Report
Th2環境が表皮角化細胞産生カリクレインの発現および皮膚バリアに与える影響
Project/Area Number |
22791074
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森実 真 岡山大学, 大学病院, 助教 (80423333)
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 / カリクレイン / Th2サイトカイン |
Research Abstract |
我々は平成22年度までの研究によってTh2サイトカインが培養正常表皮角化細胞におけるカリクレイン7の発現および機能を増強することを見出した。今回我々はTh2サイトカインが他の組織カリクレインの発現に与える影響についてもリアルタイムPCR法にて検証した。角化細胞が産生するカリクレイン5・8の発現量はTh2サイトカインによって変化していなかった。培養角化細胞においてカリクレイン14のmRNAは検出感度以下であった。 次に実際のアトピー性皮膚炎病変部でカリクレイン7の過剰発現を確認するため,我々はパラフィン包埋組織切片を用いて免疫染色とリアルタイムPCRを施行した。その結果,正常皮膚に比してアトピー性皮膚炎病変部でカリクレイン7の発現が増強されていることを蛋白およびmRNAレベルで証明した。 さらにアトピー性皮膚炎におけるTh2サイトカインとカリクレイン7の相関関係を解析した。アトピー性皮膚炎患者の血清中のIL-4とカリクレイン7の濃度をELISAで測定し相関関係についてスピアマンの順位相関係数を用いて検証したところ,両者は有意に相関していた。 これらの結果からアトピー性皮膚炎においてTh2サイトカインがカリクレイン7の発現を誘導し,表皮バリア機能に影響を与えていることが示唆される。
|
Research Products
(2 results)