2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトβデフェンシンのサイトカイン/ケモカイン産生誘導の決定領域
Project/Area Number |
22791075
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白藤 宜紀 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (90423285)
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Keywords | デフェンシン / サイトカイン / IL-6 / IL-8 / αヘリクス |
Research Abstract |
ヒトβデフェンシン(HBD)-3はヒトβデフェンシン-1~-4の中で、グラム陰性菌のみでなく、グラム陽性菌にも強力な抗菌活性を有し、しかもその抗菌活性は塩抵抗性である。我々はこの強力な抗菌作用を決定付ける因子として、HBD-3のみに認められるC末端の2箇所のアルギニン残基に注目し、表1の2つの変異ペプチド(desR HBD-3, N-RR HBD-3)を作成し,前記のアルギニン残基が抗菌活性および塩抵抗性に非常に重要な役割を果たしていることを示した.さらに,HBD-3は様々なサイトカイン/ケモカイン誘導作用を有することが知られている.我々は,この作用が,抗菌活性にあまり影響がみられないN末端のαヘリクス領域が関与しているものと仮定し,HBD-3のαヘリクス領域(YCRVR)およびHBD-2,HBD-1のαヘリクス領域(PVTCLK, HYNCVS)の合成ペプチドおよび,HBD-2, -3, desR HBD-3, NRR-HBD-3を培養ケラチノサイトに添加し,IL-6およびIL-8の発現をELISA法にて測定した.結果は,予想に反し,すべてのαヘリクス領域ペプチドにIL-6,-8の誘導能は見られず,desR HBD-3にはHBD-3と比較しても,有意にIL-6.-8誘導の増加が認められた.これらの結果により,HBD-3のサイトカイン誘導にも,抗菌活性と同様,C末端のアルギニンが大きく関与していることが示唆された 表1 HBD-3 GIINTLQKYYCRVRGGRCAVLSCLPKEEQIGKCSTRGRKCCRRKK desR HBD-3 GIINTLQKYYCRVRGGRCAVLSCLPKEEQIGKCSTRGRKCC-KK N-RR HBD-3 RRGIINTLQKYYCRVRGGRCAVLSCLPKEEQIGKCSTRGRKCC-KK
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Research Products
(2 results)