2011 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角質層・タイトジャンクションバリアの生成維持、制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
22791089
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
横内 麻里子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50571478)
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Keywords | 重層扁平上皮 / 可視化 / Tight Junction |
Research Abstract |
本研究は、皮膚におけるTight junction(以下TJ)が、皮膚のバリア機能において重要な役割を担っているという知見に基づき、皮膚バリアを静的バリア=角質層バリア、動的バリア=TJバリアの2層から構成されると定義し、その相互作用と役割分担、維持のメカニズムを明らかにすることを目的としたものである。われわれは角質層の主要構成物質であり、近年その遺伝子変異がアトピー性皮膚炎の発症要因とされているフィラグリンに着目し、角質層バリア障害モデルとしてフィラグリン欠損マウスを作製した。フィラグリン欠損マウスの角質層の構造は正常マウスと異なり、また機能においても脆弱性と高い物質透過性を示し、角質層バリアが一部障害されていることが示された。 このフィラグリン欠損マウスについて、TJバリアの構造・機能解析を行った。表皮TJを立体的に可視化する方法を用い、フィラグリン欠損マウスと正常マウスの表皮TJの立体構造を比較したところ、主要なTJ構成要素であるclaudin-1、occludin、ZO-1の発現は双方で明らかな違いはみられず、立体構造にも差はなかった。また、3細胞が接する部はtricellular tight junction(tTJ)とよばれる特殊なTJ構造を形成しているが、tTJの構成蛋白であるtricellulin、LSRについても、立体構造の差異は認められなかった。なお、以上のTJ、tTJ構成蛋白について、real-time PCR法を用い表皮ケラチノサイトにおけるmRNAの発現を比較したところ、正常マウス、フィラグリン欠損マウスの両者に有意な差はなかった。さらに、ビオチン化試薬等、数種類の分子量の異なるトレーサーを用い、表皮TJのバリア機能を評価したところ、フィラグリン欠損マウスの表皮TJは、いずれのトレーサーの浸透もブロックしており、正常なバリア機能を有することが示された。
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[Journal Article] Langerhans cell antigen capture through tight junctions confers preemptive immunity in experimental staphylococcal scalded skin syndrome2011
Author(s)
Ouchi T, Kubo A, Yokouchi M, Adachi T, Kobayashi T, Kitashima DY, Fujii H, Clausen BE, Koyasu S, Amagai M, and Nagao K
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Journal Title
J Exp Med
Volume: 208
Pages: 2607-2613
Peer Reviewed
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