2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791093
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
今井 康友 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10529514)
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Keywords | インターロイキン33 / ケラチノサイト / 皮膚炎 / サイトカイン / ブタクサ / 炎症性皮膚疾患 / インターロイキン18 / IL-1ファミリー |
Research Abstract |
インターロイキン33(IL-33)は、皮膚や眼瞼のケラチノサイトなどに存在するサイトカインで、アトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性疾患に関与するIL-18と同じIL-1ファミリーに属し、その機能はTh2細胞、肥満細胞、好塩基球、好酸球を活性化するなどIL-18と同様に多彩であるが、IL-33の炎症性疾患の病態形成における役割は不明である。これまで研究代表者はIL-1ファミリーに属するサイトカインの炎症性皮膚疾患における役割を明らかにしてきた。本年度は、抗IL-33抗体の作製と検出系を確立することに専念した。具体的には、抗IL-33ポリクローナル抗体を用いてヒト、マウスIL-33を高感度に検出するELISAやWestern blottingの実験系を作製した。また、ヒトならびにマウス皮膚におけるIL-33の発現と活性化の状態を、抗IL-33抗体を用いた蛍光抗体法で検討する系を確立した。特に市販のELISAではヒトの血清で感度が悪く測定限界以下になってしまう血清であっても、独自に作成した高感度ELISAでは測定することが可能であった。この系で乾癬患者の血清IL-33値を測定し健常人と比較したところ、有意差は認められなかった。次に、Balb/cマウスをブタクサ花粉で免疫しブタクサ花粉を点眼するアレルギー性結膜炎モデルにおいて、研究代表者は独自に高感度マウスIL-33ELISA法を開発し、眼瞼中のIL-33を測定したところ、正常マウスに比べてこのモデルのアレルギー性結膜炎マウスでは、IL-33が蛋白レベルで増加していることを見いだした。以上の結果から、ブタクサ花粉の点眼により、眼瞼における表皮ケラチノサイトの発現するIL-33蛋白は増加することが分かった。今後、炎症性皮膚疾患のマウスモデルについても検討していく予定である。
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Research Products
(11 results)