2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫におけるPDー1関連免疫抑制とケモカイン受容体関連転移修飾
Project/Area Number |
22791095
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
日野 亮介 産業医科大学, 医学部, 講師 (30446116)
|
Keywords | 悪性黒色腫 / PD-1 / PD-L1 / ケモカイン受容体 |
Research Abstract |
1.ケモカイン受容体 腫瘍細胞を原発巣や転移巣において解析すると,一部の細胞においてCCR5の発現がかなり強く見られる例がある。 CCR5の機能,発現の意義について検討を開始した。すると,CCR5のリガンドであるCCL3,5に対して腫瘍細胞が遊走能を持つこと,また,これらのケモカインで処理することで腫瘍細胞からの免疫抑制性サイトカインであるTGF-βの産生が促進された。また,抑制性受容体であるPD-L1はこの系において変動しなかった。このことよりCCR5発現が腫瘍微小環境における免疫抑制のメカニズムに関与する事が示唆された。また,皮膚転移のある群においてCCR4が高く,in-transit転移を起こした群においてCXCR4の発現が高かった。このことよりケモカイン受容体の発現が転移様式に相関している可能性が示唆された。 2.腫瘍浸潤細胞の解析 腫瘍浸潤細胞を培養して解析すると,局所において進行度が高い例においてT細胞におけるPD-1発現が強い傾向にあった。これは11の項で示している論文報告にあるように,PD-1の末梢血における発現は進行例において高い傾向にあったことと合致するデータと思われる。 3.悪性黒色腫細胞の培養 株化できた腫瘍はなかったが,腫瘍細胞を1-2代継代培養することが可能であった。項目1に示したように,ケモカイン受容体の解析やPD-L1発現についての検討を行うことができた。
|
Research Products
(1 results)