2010 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期グルココルチコイド暴露が大脳皮質形成/神経ネットワーク形成へ与える影響
Project/Area Number |
22791124
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福本 健太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00514407)
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Keywords | グルココルチコイド / 介在ニューロン / 接線方向移動 / 拡散テンソル画像 / 神経ネットワーク |
Research Abstract |
ヒト、齧歯類において胎生期・新生児期のストレス/グルココルチコイド曝露は脳発達障害・神経ネットワーク形成障害を起こし、思春期・成人期の行動異常および精神疾患発症の素因となることがすでに報告されている。しかしながらその分子メカニズムは未だ解明されていない部分が多い。本研究では胎生期ラット・マウスにストレス応答性ホルモンであるグルココルチコイドを曝露し、後の大脳皮質形成障害および神経ネットワーク形成過程異常を分子メカニズム含め解析することを目的とする。 大脳皮質形成障害は介在ニューロンの細胞形態および移動様式、特に正中隆起からの接線方向移動およびその後の皮質内への進入時期に注目した。解析はグルタミン酸脱炭酸酵素67遺伝子に緑色蛍光蛋白質遺伝子をノックインした(GAD67-GFP)マウスを用いた。妊娠後期のグルココルチコイド曝露は移動中の介在ニューロンの不均一分布をもたらした。特に脳室下帯/中間帯を移動する細胞の割合が減少し、一方で正常群よりも早く皮質に分布する細胞の割合が増えた。また介在ニューロン細胞培養下では、グルココルチコイドが細胞突起の分枝異常をもたらすことを発見した。 次に胎生期にグルココルチコイド曝露されたラットの青年期における発達および神経ネットワーク形成を磁気共鳴画像法にて解析を行った。脳組織部位ごとに体積を測定し比較すると前頭前野、白質の体積が減少すること。さらに拡散テンソル画像法を用いて軸索束走行を可視化した結果、扁桃体から海馬間の軸索走行異常を見出した。
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