2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経可塑性メカニズムの解明?抗うつ薬の創薬を目指して?
Project/Area Number |
22791127
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山形 弘隆 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10549934)
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Keywords | 神経可塑性 / うつ病 |
Research Abstract |
まず、Neuro2A細胞の神経突起伸展に対するBubR1の役割を調べた。BubR1を外在性に発現させ、All-trans Retinoic Acid (ATRA)による神経突起伸展を調べたところ、BubR1過剰発現群で有意に神経突起伸展が抑制された。次に細胞を変えてSH-SY5Y細胞でBubR1が神経突起伸展に与える影響を調べた。BubR1のタンパク量をウェスタンブロット法で調べたところ、ATRAで刺激し神経突起伸展を起こした状態では、コントロール群に対しBubR1が減少していることが分かった。またBubR1の下流であるId1のタンパク発現量が、ATRA処置によって減少することが分かった。次に免疫蛍光法を用いて、ATRAで処置したSH-SY5Y細胞のBubR1局在を調べた。ウェスタンブロットの結果に矛盾せず、ATRA処置群ではBubR1の蛍光強度が少ない像が見られたが、BubR1の細胞質への局在については変化がなかった。さらにSH-SY5Y細胞でsiRNAを用いてBubR1をノックダウンさせた。ウェスタンブロット法でノックダウンできていることを確認した。BubR1ノックダウン群とコントロール群の細胞にATRAを添加したところ、BubR1ノックダウン群で神経突起伸優位に増加した。このことから、BubR1の減少がSH-SY5Y細胞の神経突起伸展を促進することが示唆された。初代培養神経細胞での軸索伸展、樹状突起伸展に対する役割を調べるために、E18胎児マウス海馬ニューロンを培養する系を確立させた。うつ病モデル動物としてSocial Defeatストレス実験系を確立させた。
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