2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経可塑性メカニズムの解明~抗うつ薬の創薬を目指して~
Project/Area Number |
22791127
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山形 弘隆 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10549934)
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Keywords | 神経可塑性 / うつ病 |
Research Abstract |
BubR1が海馬のPrimary Neuronの神経突起伸展に及ぼす影響を調べるため、E18胎児マウス海馬Neuronを培養し、BubR1をGFPと同時に外在的に発現させて、神経突起伸展をShollPlot法を用いて測定したところ、BubR1を発現させた神経細胞では神経突起伸展が抑制されていることが分かった。次に、ストレス脆弱性を有するBALB/cマウスに慢性ストレス負荷したうつ病モデルマウスを用いて、慢性ストレス負荷後の海馬BubR1mRNAの発現を調べたところ、予想に反してBubR1の減少が認められた。また、慢性ストレス負荷群に抗うつ薬を投与した時にはBubR1がさらに減少することが分かった。また、Neuro2a細胞に直接イミプラミンを添加してもBubR1mRNA減少は認められなかった。これらの結果から、BubR1の減少と神経の形態学的な変化が、直接抗うつ効果を引き起こしている仮説を確かめることは出来なかった。BubR1との相互作用が指摘されているTAO1をはじめ、13種類のキナーゼについて慢性ストレス負荷後と抗うつ薬投与後のmRNA発現量を調べたが、ストレス依存的あるいは抗うつ薬依存的にBubR1と同様の変化が見られる因子を見つけることは出来なかった。一方で、うつ病モデルマウス海馬におけるFox03やNoxaなどの他因子の発現変化をとらえることが出来た。神経細胞の細胞死に対する役割を調べるため、Neuro2a細胞を用いてエトポシドによる細胞死をPropidium iodide染色によって調べたところ、BubR1やTA01をノックダウンさせると細胞死が抑制されることが分かった。
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