2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗うつ薬とBDNFによるミクログリア活性化の制御機序解明・TRPチャネルの関与
Project/Area Number |
22791128
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
溝口 義人 佐賀大学, 医学部, 講師 (60467892)
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Keywords | うつ病 / BDNF / ミクログリア / 神経炎症 / 薬理学 |
Research Abstract |
ミクログリア活性化による炎症性サイトカインやフリーラジカルの産生・放出には、[Ca^<2+>]i上昇が重要な役割を担う。抗うつ薬あるいは気分安定薬によるミクログリア活性化抑制作用の細胞内機序として、各薬剤による細胞内Ca2+シグナリングの制御が関与する可能性が高い。Paroxetine、fluoxetineなどのSSRIはBurkitt lymphoma細胞あるいはOsteosarcoma細胞において[Ca^<2+>]iを上昇させるが、その詳細なメカニズムは不明である。今回報告者はミクログリアにおいてもparoxetine、sertraline、fluvoxamineなどのSSRIが主に細胞外からCa^<2+>を流入させて[Ca^<2+>]iを上昇させることを確認した。SSRIによるCa^<2+>流入過程にstore-operated Ca^<2+> channels (TRPチャネルを含む)が関与する可能性が示唆された。またBDNFによる[Ca^<2+>]i持続的上昇(Mizoguchiら,J Immunol 2010)にもTRPCチャネル、とくにTRPC3の関与を示唆する結果が得られた。申請者はさらにreal-time RT-PCR法、ウェスタンブロット法、免疫組織化学的手法によりTRPチャネルおよび関連分子・タンパクの検索を行った。これらの結果の一部について、国際学会で報告した。
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