2010 Fiscal Year Annual Research Report
光トポグラフィを用いた空間恐怖を伴うパニック障害患者の前頭葉機能の評価
Project/Area Number |
22791135
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
境 洋二郎 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00433152)
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Keywords | 光トポグラフィ / 不安障害 / パニック障害 / 外傷後ストレス障害 |
Research Abstract |
本研究は、空間恐怖に対する認知行動療法による治療過程の脳機能の変化を評価するものであり、広場恐怖を伴うパニック障害患者における不安惹起刺激提示時と中性刺激提示時の前頭葉機能を反映する大脳皮質の血液量変化を光トポグラフィで測定し、疾患の特徴及び治療による変化を検討するものである。 今年度は、広場恐怖を伴うパニック障害に対する認知行動療法のプログラムを作成した。実際の患者に合わせて、カメラ、ビデオカメラを用いて不安惹起場面及び中性刺激場面を撮影し、パーソナルコンピューター、画像編集ソフトを用いて、編集を行い、不安惹起画像と中性刺激を組み合わせた7分間の動画を作成した。 まず、パイロットスタディとして、広く不安障害患者、健常者に研究参加を募集した。この画像を用いて、今後不安障害患者と比較するため、健常者10名程度で測定を行った。 不安障害の一つである外傷後ストレス障害患者に対して、不安・恐怖を惹起する映像と不安・恐怖と関連しない中性刺激映像視聴時、及び、外傷場面想起時と中性刺激映像視聴時の前頭葉の脳血流の変化について光トポグラフィを用いて測定を行った。外傷場面想起時の変化について、外傷後ストレス障害の一つ治療法である、眼球運動による脱感作と再処理法を2週ごとに3回施行した際に測定した。症状の改善に伴い、前頭葉の血流は治療経過において、一度低下し、その後、上昇する変化が確認された。光トポグラフィ検査にて治療過程の脳機能変化が測定できることが確かめられ、前頭葉の賦活が、症状改善に関連していると考えられた。この例については、第3回日本不安障害学会、第22回福島県精神医学会にて報告した。 引き続き不安障害患者、健常者で被験者を募集し、継続していく予定である。
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Research Products
(2 results)