2010 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソルによる神経認知機能障害の解明ー双極性障害の神経発達仮説を越えてー
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22791139
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岩谷 潤 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60458057)
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Keywords | 双極性障害 / 神経認知機能障害 / 拡散テンソル画像 / 気分障害 / 神経画像 |
Research Abstract |
本研究の目的は、双極性障害の神経認知機能障害と、拡散テンソル画像で測定される異方性の低下との相関を調べ、神経認知機能障害の神経基盤およびその危険因子の解明、臨床的にその進行を回避する戦略を開発することである。 3年間の計画で行う本研究の1年目である平成22年度は、健常成人および対象患者を計画通りエントリーした。研究への参加者には、神経認知機能検査(統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版)および拡散テンソル画像検査(3T MRI)の測定を行った。また、臨床的パラメータ(初発年齢、入院回数、躁病エピソード数、精神病症状の有無、罹病期間、測定時の臨床症状など)の収集を行った。これらは現在も進行中である。 疾患特異的な神経認知機能障害の評価方法の開発を目的に、言語性記憶検査の繰り返し試行における双極性障害19名および大うつ病6名における差異を検討した。この方法では、15単語の言語性記憶を5回繰り返して試行し、エンドポイントに至るまでの回数をlog-rank testにて検定し、双極性障害と大うつ病の間で有意な差を示した(Chi square=7.1,df=2,P value=0.008)。現在も引き続き、参加者のエントリー及び評価方法の検討を行っている。 拡散テンソル画像は当初予定していた1.5Tesla MRIから3Tesla MRIに切り替えて撮像を行った。前頭前野(眼窩、内側、背外側)および前部帯状回からの線維連絡を標的として解析を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] 最遅発性統合失調症様精神病におけるプレパルス抑制の障害2010
Author(s)
奥村匡敏, 岩谷潤, 高橋隼, 橋本忠浩, 石田卓也, 山田信一, 山本眞弘, 正山勝, 上山栄子, 小瀬朝海, 辻富基美, 鵜飼聡, 篠崎和弘
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Journal Title
老年精神医学雑誌
Volume: 21
Pages: 206
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