2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作動物を用いたGRINの脳機能解明および脳形成に関与するGPCRの同定
Project/Area Number |
22791147
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
本谷 安正 鶴見大学, 歯学部, 助教 (60421830)
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Keywords | 三量体 / Gタンパク質 / ドーパミン / D2受容体 |
Research Abstract |
本年度はGRIN3ノックアウト(KO)マウスの行動解析およびGRIN3を中心とした分子レベルでの機能解析を行い、それぞれに大きな進展があった。行動解析においてはGRIN3が不安行動に重要であること、分子レベルの解析においてはGRIN3が受容体脱感作に関わるGRK family分子に対する機能調節因子である点を明らかにした。オープンフィールドおよびelevated plus maze試験により不安行動を解析したところ、GRIN3 KOマウスにおいて不安状態が著しく亢進していた。また、昨年度GRIN3がそのC末端を介してGRKと結合することを明らかにしたが、本年度はGRIN3のC末端2カ所に新たなGRK結合部位を同定した。すなわち、GRIN3のC末端には3つのGRK結合部位が存在するが、それぞれドーパミンD2受容体に対する機能は異なっていた。昨年度同定のGRK結合部位は特に受容体機能には影響を与えなかった。一方、新規の2カ所については、まずGRIN3のGi/o結合部位が最小14アミノ酸からなる点を明らかにするとともに、この部位が同時にGi/o結合依存性のGRK結合部位であることを明らかにした。この最小の結合部位はD2シグナル伝達を大幅に亢進した。2カ所目はGi/o結合部位のすぐ下流に存在し、この部位はGRKとBasal条件下で結合し、受容体の発現量のみを大幅に増加させた。また、この効果はGi/o依存性に減少した。これらの結果はGRKによる細胞内シグナル伝達とドーパミンD2受容体量の制御は異なるメカニズムにより制御されており、GRIN3はこれらの機能をGi/o依存性に調節していることが明らかとなった。
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