2010 Fiscal Year Annual Research Report
EFHC1変異による小胞体カルシウム貯蔵量の調節を介したてんかん発症機序の解明
Project/Area Number |
22791154
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 俊光 独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, 研究員 (20373318)
|
Keywords | てんかん / EFHC1 / IP3レセプター / 小胞体カルシウム |
Research Abstract |
若年性ミオクロニーてんかん(JME)は、思春期(8~20歳)に発症し、ミオクロニー発作、強直間代発作などを特徴とする最も頻度の高い特発性てんかんの一つである。申請者らは、遺伝的連鎖解析、ポジショナルクローニングにより、第6番染色体短腕6p12から原因遺伝子の一つとして新規の遺伝子EFHC1の同定に成功した。この遺伝子から家系内で連鎖を示す5種類のミスセンス変異をメキシコのJME6家系から発見した(Suzuki et al.Nature Genetics,2004)。さらに、申請者を含む研究チームは、新たな4種類のJME疾患変異を発見し報告した。また、EFHC1の疾患変異は、複数のグループより報告が続いていおり、それらの疾患変異は、ヨーロッパ人のJME家系、イタリア人のJME家系、白人の若年性欠神てんかん、潜因性の側頭葉てんかん、さらに非分類型の特発性全般てんかんから見つかっている。このことより、EFHC1はJME発症に関与しているだけでなく、特発性全般てんかんの痙攣誘発に広く関与している可能性もでてきている。有効な治療法の開発のためには、疾患成立機序を解明する事が必要であることから、本研究では、細胞内Ca^<2+>調節機構でmyoclonin1が果たす役割を詳細に解析する事で、EFHC1変異が引き起こすてんかん発症メカニズムの解明を目的としている。本年度は、EFHC1遺伝子のコードするタンパクmyoclonin1がIP_3R1に結合する領域を詳細に決定するために、IP_3R1の部分欠損変異タンパクを用いた免疫沈降法により検討した。また、myoclonin1上のIP_3R1結合部位の決定も同様の方法を用いて行った。IP_3R1上のmyoclonin1結合領域に関しては、どのアミノ酸が結合に重要なのかを決定するために、複数のアミノ酸置換変異タンパクを作成し、検討を行った。
|