2011 Fiscal Year Annual Research Report
EFHC1変異による小胞体カルシウム貯蔵量の調節を介したてんかん発症機序の解明
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22791154
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 俊光 独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, 研究員 (20373318)
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Keywords | てんかん / EFHC1 / IP_3レセプター / 小胞体カルシウム |
Research Abstract |
若年性ミオクロニーてんかん(JME)、は、思春期(8-20歳)に発症し、ミオクロニー発作、強直間代発作などを特徴とする最も頻度の高い特発性てんかんの一つである。申請者らは、遺伝的連鎖解析、ポジショナルクローニングにより、第6番染色体短腕6p12から原因遺伝子の一つとして新規の遺伝子EFHC1の同定に成功した(Suzuki et al. Nature Genetics,2004)。さらに、申請者を含む研究チームは、新たな4種類の疾患変異を発見し報告した。また、EFHC1の疾患変異は、JMEのみならず、若年性欠神てんかん、潜因性の側頭葉てんかん、さらに非分類型の特発性全般てんかんからも見つかっている。このことより、EFHC1はJME発症に関与しているだけでなく、特発性全般てんかんの痙攣誘発に広く関与している可能性もでてきている。有効な治療法の開発のためには、疾患成立機序を解明する事が必要であることから、本研究では、細胞内Ca^<2+>調節機構でmyoclonin1が果たす役割を詳細に解析する事で、EFHC1変異が引き起こすてんかん発症メカニズムの解明を目的としている。23年度は、Efhc1ノックアウトマウス由来の細胞と野生型マウス由来の細胞を用い、細胞内Ca^<2+>動態の変化をCa^<2+>イメージングで比較した。また、細胞内でEFHC1遺伝子のコードするタンパクmyoclonin1とIP_3R1の結合阻害を起こした時、細胞内Ca^<2+>動態に影響するのかをCa^<2+>イメージングで検討した。さらに、IP_3R1結合部位におけるmyoclonn1との結合に必要なアミノ酸のアラニン変異タンパクを用いて検討する事で、Ca^<2+>イメージングで得られた細胞内Ca^<2+>の変化が、myoclonin1とIP_3R1の結合阻害によるものであるとさらに確認した。
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