2010 Fiscal Year Annual Research Report
標的の呼吸性移動を考慮した回転型強度変調放射線治療を用いた体幹部定位放射線治療
Project/Area Number |
22791177
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今江 禄一 東京大学, 医学部・附属病院, 診療放射線技師 (80420222)
|
Keywords | 320列CT / 呼吸性移動 / 回転型 / 強度変調 / 放射線治療 / 肺 / 定位 |
Research Abstract |
本研究は,320列CTを用いて体幹部放射線治療中の呼吸による標的の移動量を明らかにした上で,標的の呼吸性移動を考慮した回転型強度変調放射線治療(volumetric modulated arc therapy : VMAT)を用いて体幹部定位放射線治療を実現することを目的とした.平成22年度は,肺定位放射線治療における標的の軌跡解析法を提案し,数値ファントムおよび臨床例において標的の軌跡解析を行った.標的の位置検出にはフーリエ位相相関法を用い,独自に作成した軌跡解析法を数値ファントムおよび320列X線CT装置により得られた臨床画像に適用し,標的の軌跡解析を行った.数値ファントムおよび臨床例において,軌跡解析は可能であった.臨床例では,標的の軌跡が呼吸によって変化すること,軌跡がヒステリシスを描くことが再現された.フーリエ位相相関法を用いた標的の検出は3次元かつ自動で実行され,標的の呼吸性移動を考慮した治療計画に有用であった.また,VMATは回転治療中にコーンビームCT(cone beam CT : CBCT)を撮影可能であり,治療中の臓器の位置情報から正確な投与線量を再評価することが期待されている.VMAT法を肺定位放射線治療に応用し,治療中における標的の軌跡解析を行った.対象とした3症例において,320列CT画像およびCBCTを用いた4次元画像の軌跡解析は可能であった.320列CTによって得られた標的の軌跡とCBCTの4次元画像から得られた標的の軌跡は呼吸位相に対して同じ傾向が見られた.本研究により,放射線治療の投与線量および分布が再評価可能となり,Adaptive therapyにつながるといえた.
|
Research Products
(3 results)